2013年春 フィンランド ショートトリップ 3日目 フェドセーエフ指揮・フィンランド放送響! |
さてさて、先日出かけたヘルシンキへの小旅行も、3日目のハイライト!!!!!!
ヘルシンキまでわざわざ出かけたのは、何と言っても「フェドセーエフ指揮・フィンランド放送響」が、ショスタコーヴィッチの交響曲10番を演奏するので、これを聴く目的!!
昔はメシアン:トゥーランガリーラ交響曲を聴くため、京都(I氏指揮・京都市交響楽団)・大阪(わが母校の和慶先生指揮・大阪フィル)、リンツ(メータ指揮・ウィーンフィル)、アムステルダム(シャイー指揮・コンセルトヘボウオーケストラ)、ユトレヒト(シャイー指揮・コンセルトヘボウオーケストラ)などなど、各地を回ったほど。
最近直接お知り合いになった、N尻氏の演奏も聴いてますね~、ご本人ともこのお話しをすることが出来ました。
中学生頃聴いた、フェドセーエフ氏のモスクワ放送響、R.コルサコフ:シェエラザード、チャイコフスキー交響曲5番等、非常に感銘を受け、ウィーン在住の頃はウィーン交響楽団とのショスタコーヴィッチ:交響曲7番、ベルク:ヴァイオリン協奏曲、ストラヴィンスキー:春の祭典等の演奏で感銘を受けました。
既に80歳を超えたマエストロが、2011年にウィーン楽友協会ホールの80歳誕生日演奏会で演奏した、ショスタコーヴィッチ:交響曲10番を、再びウィーンで振る機会はもう無いのではないかと危惧し、わざわざ出かけたのでした。
《注》 音が出ます!
このYoutubeヴィデオの日を聴いた方の感想はこちら。
故ムラヴィンスキー氏、故スヴェトラーノフ氏、鬼才ロジェストヴェンスキーと共に、フェドセーエフ氏も、近い将来ロシアの伝説指揮者になるでしょうね。
フィンランド放送響といえば、龍谷大学~京都市芸大~ドイツ留学で有名な、日本人女性トランペット奏者Sさんが吹いているオーケストラ、この日は降り番との事でしたが事前に連絡を取らせていただき、本番前のG.P.を聴かせていただくことに。
音楽業界の狭さは、こういう時にありがたいです。
再びHelsingin Musiikkitalo(ヘルシンキ音楽センター)へ。
午前中のホールはガラガラ。
ドイツ語が多少話せるマエストロと、始まる前に話せばよかったと、今でも後悔・・・。相変わらず奥様同伴でのG.P. とても穏やかなリハーサル。
プログラムは
J. C. Bach: Symphony B flat major Op. 18 No. 2
Weber: Symphony No. 1 Op. 19
Shostakovich: Symphony No. 10
という、全く時代の異なる曲。
フィンランド放送響は超優秀かつ機能的なので、言うこともなく、通して無事終了。弦の弾き方は、シベリウスアカデミーの独特な感じ。
トロンボーンセクションは首席がアメリカ人、2番の女性奏者はノルウェー人、期間契約で来ているミネソタ管弦楽団バストロンボーン奏者が吹いて、アメリカ風の響き。
G.P.終了後Sさんが、建物を隅々まで案内してくださりました。
楽屋は、コンピューターチップを持っていないと入れません。これを忘れたら、ホール内のどこにも行けません!
ここはサントリーホールでいうと、Pブロックの下、私たちが毎回本番前に待っている場所。
室内楽やリハーサルが行われる、小ホール、大ホールと同じ響きになるよう想定しているとの事。
シベリウスアカデミー(音大)は同じ建物の、隣のセクション。ホールと音大がセットというのはいいですね!
トランペットセクションの部屋。後でMikkoさんとSさんに、レストランの場所を検索していただきました。
この建物にはヘルシンキフィル、フィンランド放送響、シベリウスアカデミーが入居していますが、フィンランド放送響だけは、オーケストラ専用の男女別サウナがあるとの事!!!(笑)
さすがフィンランドのオーケストラ!!!
2階席から舞台を見下ろすと、
結構な高さ!
アメリカ人のトロンボーン首席D氏は、「sepp、お前のことをウィーンフィルのSから聞いたことがあるぞ!」、そしてハンガリー人2番ホルンのT氏は、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のハンガリー人首席ホルン奏者の幼馴染(笑)。
楽屋裏で皆と色々な話が出来て、とても楽しい時間でした。Sさん、ありがとうございました!
夜の本番は、ショスタコーヴィッチでティンパニーが最後の最後に色々とあったものの、非常に素晴らしく、ブラヴォーも飛び交っていましたが、聴衆の熱さはウィーン程ではなく、意外とあっさり拍手も終わりびっくり。
年齢など全く無関係な、早めのテンポ感、勢い、そして枯れた表現は、さすがです・・・。
もしウィーン交響楽団だったら、フェドセーエフ氏に拍手し、絶対立たないところですが、フィンランド放送響はあっさり立っていました。
まあ単発の客演ですし、自発性を促す、あの振り方には慣れないかもしれないですね。
2015年にはフィンランド放送響にLorin Maazelが客演指揮するそうで、これも非常に楽しみ。フィンランド放送響から目が離せません!!
ウィーンフィル首席トロンボーン奏者Dのお父様、Prof. H. K氏(元ウィーン交響楽団バストロンボーン奏者・元ウィーン音大教授)が、
「いいかsepp、フェドセーエフは非常に素晴らしい指揮者で音楽家であるけれども、ただそれだけの人物ではない。
彼は自分のロシアのオーケストラ(旧モスクワ放送響・現チャイコフスキーオーケストラ)を維持するために、外国で客演したギャラのほぼ全額を自分のオーケストラにつぎ込んで、メンバーの生活を守っているんだぞ、これは普通の指揮者には出来ないことだ」
と、大昔、若き日の私に言った言葉が忘れられません。
sepp
それにしてもオーケストラサウナ!いいですね!!!!
lara
この間モーツァルテウム管弦楽団ヴィオラのM氏(ハープのDさんの旦那・笑)に、「この間、フェドセーエフのショスタコーヴィッチの10番をフィンランドまで聴きに行ったんだよ」と話したところ、「おまえ、それは凄い演奏会にわざわざ行ったな~!!」と即答してました。
何かで一緒になった事があるそうで、「非常に素晴らしかった」と言っていました。
自分での企画旅行をしないと、なかなかこういった機会もないですね。
オーケストラ事務局内団員専用サウナ、恐らく世界唯一では? さすがお国柄です。
sepp